超大規模植物工場の出現

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大規模な人工光型植物工場のニュースが多く聞かれます。最近まで、日産1万株クラスの生産量を持つ植物工場が、大規模の一つの目安でした。これはリーフレタス1株を平均80gで出荷するとして、800kg相当になります。こうした規模の植物工場の運営が黒字化するまでには何年か必要と言われています。これは初期の様々なトラブルを解決しながら、生産と販売がうまくかみ合いフル稼働で利益を生み出すまで、それなりの時間と試行錯誤が必要であるためでしょう。

 

この規模の植物工場で働く人は、社員数名とパート従業員が15〜20名程度で、社員は工場長、副工場長、総務などの役割で営業兼務というのが一般的でしょう。実際に植物工場を運営するのは設備や機械類ではなく、レタス類などの種をまき、苗を育て、定植や植え替え、収穫をして、選別調整後に出荷を行う人間です。さらに清掃や消毒、営業やクレーム対応、パートさんの募集や面接、毎日のシフト作りや調整、と植物工場に限らない人間の業務も色々とあります。

 

 

ところが最近は日産2万〜4万株、さらに7万株といった生産能力を持つ工場建設のニュースが聞かれるようになりました。いずれも大企業と、実際に植物工場の開発や運営に携わっている企業との提携によるものです。技術導入と資本力により市場をいち早く獲得して優位性を確立する戦略と見られます。日産1万株でも十分に大規模で立ち上げる苦労も大きいと思うのですが、最早そうではない、スケールメリットが得られる更なる大規模化(以下、超大規模化)がこの世界にも訪れようとしてます。果たしてこれらの超大規模化は成功するのでしょうか?

 

ニュースの情報によれば、これら超大規模植物工場では、自動化と省力化を進めようとしています。すでに既存のいくつかの植物工場では、移植機械で苗を定植パネルに挿しこむ工程を自動化しています。ただし工程の一部を機械化しているだけで、工場の製造ラインのように様々な機械やロボットが整然と動き回るような自動化はされていません。機械作業の前後の工程を人間が補助するような半自動化というべきかもしれません。

 

自動化のレベルを上げると、機械やロボットの性能向上、設備のメンテナンス、設備投資などが新たに負担となります。また一部の工程だけ自動化しても全体の効率が上がるものでもありません。残った手作業の工程に対し多くの従業員が参加して一斉に仕事を進める必要があります。超大規模化により生じる新たな問題も数多くあることが予想されます。

 

超大規模植物工場の事業者は、すでにこのようなことは織り込んで事業計画や生産計画を立てていることでしょう。それを計画通り実現できるかどうかは、機械設備の性能に依る部分と、現場従業員の管理能力や作業能力、さらにトラブルへの対応力など、人間的要素も多いはずです。超大規模植物工場がどのような成功をもたらすか、大変興味が湧く話題です。