日韓の外国人受け入れ制度と施設園芸

〇韓国の外国人受入れ制度

 

先日のTVニュースで日韓の外国人受入れ制度の比較がされ、タイムリーな内容で感心しました。

韓国は国策で外国人労働者の受入れに舵を切り、国がその管理と窓口業務をやっており、専門の政府組織を持っています。外国人は渡航費のみの負担で韓国に来て、国が受け入れて「雇用許可制度」の仕組みで、一定基準を満たした受け入れ先企業への就職が可能になっています。また3回までの転職が可能であり、受入れ企業間の競争条件が担保されて低賃金や劣悪な労働条件を回避するような仕組みになっているようです。

 

韓国のこの制度は、韓国人労働者の雇用を奪わない様な制度設計がされているようです。例えば、永住権は認めないが期限後の再入国は可能として、労働需要の答えながら人数の管理をすること、人気のない企業に対して優先的に外国人を回すこと、業種ごとに不足する労働者数を推計して、その数だけの外国人を受け入れることなどです。

 

参考文献)高安雄一「韓国の「外国人労働者の受け入れ制度」が大成功した理由…韓国人の失業者増えず」、Business Journal 2018.5.30

 

〇日韓の受入れの違い

 

外国人の受入れ人数や、受け入れ先企業を政府が管理していること、日本のような実習や研修制度ではないため、韓国語の習得を義務付けていないことなどが、日本との大きな違いです。また企業間の競争条件から、外国人に対する寮や食事の提供も行われるケースが多く、賃金条件も日本に比べ良好であり、番組の取材ではベトナムに外国人技能実習生をリクルートに行った日本人が韓国人気に苦労している様子が放映されていました。

 

韓国の政策は海外、特に日本の政策を調査、研究し、改善したものを実施することが多い、とある韓国の方に伺ったことがあります。この雇用許可制度も、日本の技能実習制度を研究し、改善をして実施しているそうです。また韓国は、重点主義というか、やるときは徹底してやる国なので、外国人労働力と国の発展を完全にリンクさせ、外国人への支援措置も充実させている感じがしました。

 

 

〇日本の施設園芸と外国人労働者

 

ふりかえって、今の臨時国会の外国人定住資格制度の議論の中身の無さには呆れてしまいます(審議時間そのものが圧倒的に不足という大問題もあります)。政策らしい政策もなく、ただ来春から施行をしたい政府与党の答弁と、拙速で看過できないと繰り返す野党の突っ込みの甘さが目立つだけで、対韓国との労働力の争奪戦を想定した議論にはまったくなっていません。低賃金の労働力としてではなく、アジア全体の経済発展と賃金上昇の傾向を踏まえた政策を立てないと、同様に外国人労働力を必要としている日本の施設園芸は、こうした面で韓国の施設園芸に先を越される可能性が出てくると感じた次第です。

 

韓国のパプリカ温室で作業をする外国人労働者

 

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