超高齢化社会と施設園芸

JUGEMテーマ:農業

 

昨日のNHKスペシャルでは、高齢者が訪問介護や保育園の運転手として働く現場のレポートがありました。車での移動送迎が必要な地方の現場では、人手不足から70歳代のシルバー人材の活用が求められています。一方で、視力や認知力、記憶力などの衰えから限界ぎりぎりまで働くシルバーたち、それを見守る周囲の人たちのリアルな姿もありました。

このような現場の様子は、農業や施設園芸でも同様に見られます。特に収穫などの機械化が進んでいない施設園芸では、作業を行う人材集めに苦しんでいる経営体が多いのが現状です。若いママさんたちのパートタイム雇用とシルバー層雇用の二本立てが普通になっており、さらに外国人技能実習生の活用も見られます。労働力の確保が経営の最優先課題となっている経営体も多いことでしょう。

まずは人集めからですが、教育や戦力化も必須であります。また年齢も経験も多様な働き手が共存する職場で、能力に応じた働き方を個別に考えることも必要になっています。若いパートさんとシルバー層を同列に扱い期待することには無理が生じることも多いと思われます。同じ時間内にこなせる作業量や、作業負荷にも差が生じることは否めません。

 

 

温室内での高所作業


そうしたことで、若者中心の外国人技能実習生への期待も施設園芸では高まっていますが、番組では日本が今後も実習生を集められるかについて疑問を呈していました。労働力として即戦力で外国人を受け入れている台湾の例を示し、現地の言葉を習得していなくとも、とにかく労働力不足を解消するためにベトナムから受け入れている様子がありました。

日本の技能実習生制度では、技術習得が基本であり日本語の習得も必須となっています。そのための習得費用や時間的な負担も受け入れ側に生じています。それは実習生側への負担ともなり、日本での技能実習を希望せず、労働力として受け入れてくれる韓国や台湾、さらにルーマニアなどへのベトナム人出稼ぎ例もありました。

番組では超高齢化社会へ突入する日本が、移民制度や外国人労働力の活用に積極的ではない中で、今後どのように社会を維持していくか、世界が固唾をのんで見守っている、としていました。つまり、このままでは日本は社会制度や産業を維持できないと、世界は見ているということでもあると思います

このことは、地方で雇用労働力不足に常に直面している施設園芸にも、そのまま当てはまるでしょう。最近の重要なテーマである自動化や省力化、AIやIoTとロボットの活用と、シルバー人材や外国人技能実習生の活用は、施設園芸では表裏一体の課題なのであると考えられますハイテク一辺倒では解決できない難問に、我々は立ち向かう必要があります。社会保障、福祉、移民などの社会制度面の改革や変化に、農業や施設園芸にどのように適応させるかが問われています。

一方で、あまり聞かなくなった作業環境の快適化について、作業効率を高め、作業者の健康や安全性を確保するような基本的な取り組みも、労働生産性の向上のためにも改めて着目する必要があるのでは、と私は考えています。