サイゼリヤ自社農場での野菜調達

千葉大蔬菜園芸学研究室の土葉会(第324回!)に先月参加しました。加工業務用野菜の安定生産、調達、生育予測についてと、現在のホットな分野のテーマの勉強会でした。

○生産者の育成支援

(有)白河高原農場という、サイゼリアの自社農場の方のお話があり、震災で出荷ができなくなってから、調達業務を開始し、それが栽培指導や資材供給、安定取引のための工夫と色々な広がりがあったことの紹介でした。

サイゼリアはイタリア料理のチェーンで、食材調達を重視したメニューや調理を考えているそうです。自社農場でもサイゼリアが国内で初めて使い始めたルッコラや、イタリアンパセリ、バジル、セルバチコ(ルッコラの原種的な野菜)などを作られており、その調達と取り組みの拡大のため、生産者との帳合い(八百屋業務)を進めてきたとのこと(ハーブだけではないようです)。また自社独自の取り組みを広げるために、協力生産者作りを進めているそうです。

気候風土がサイゼリアの安定供給に必要と思われる場合に、協力先の地域として選んでいるとのこと。また最近は物流費の高騰がひどいため、物流を意識した産地作りをしており、自社物流センターを中心とした産地との物流の構築を念頭においているとのことで、物流費の低減には腐心されているようです。

また、将来有望と思われるな生産法人を見つけた際には、協力先として育成するための支援をしており、さらにサイゼリアの独自の品種や栽培について、自社で実験してから協力先に依頼をしているそうです。

また、年間反収という考えで生産者を支援し、九州では水田の後作の野菜作りで、コメから数作の野菜まですべて買い取って、生産者の収入を底上げして、経営も支援しているとのことでした。

○豊作時期に安く仕入れない!?

出口はサイゼリアのメニューになるのですが、生産者を応援し、共存共栄する考えが基本にあり、季節による出荷の増減に対し、春先の出荷が多い時期には安く仕入れるのではなく、値段を下げずに大量に買う方針だそうです。

その調整のため、サイゼリアのメニューを変更し、トマトが多い時期にはトマトのメニューを増やしたり、メニューブックの目立つ位置に変えるなど、様々な手を打っているとのこと。そうすることで、端境期などの調達が難しい時期には、同じ生産者から安定して調達を行える仕組みを作ってきたそうです。

○規格をキロ単位に

もう一つ、生産者にとってありがたい話として、野菜の規格を個数単位やケース単位ではなく、重量単位にしているそうです。物流や加工上の限度範囲内で大きな野菜で買い取るようにしており、大きなものを作るよう依頼しているそうです。生産者の収入を上げる手段としてキロ単価での取引があるようです。

外食メニュー価格は365日同じで、相場が崩れたときに安く買う必要がないため、いかに高く買って、いかに沢山買うかで信頼関係を作り、その結果として足らない時期に供給してもらう関係を信頼の上で構築しているとのことでした。

生産者を応援する取り組みとして非常に面白いお話でした。施設園芸野菜での取り組みもされているようでしたら、機会があれば伺ってみたいと思いました

 

 

勉強会が開催された千葉大学園芸学部の旧正門

 

 

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