技術士事務所を開設いたします

2008年に農業部門の技術士を登録してから10年以上がたってしまいましたが、この4月にようやく個人事業(兼業)で技術士事務所を開設するよう、準備中です。いろいろと準備や現業が重なり、このブログもしばらく月曜日のみの週1回にペースを落とします。

 

○技術士事務所とは?

 

技術士は技術士法という法律で定められた国家資格になります。技術士法では、技術士を「科学技術に関する高等の専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、設計、分析、試験、評価又はこれらに関する指導の業務を行う者をいう」と定めております。いわば国が認めた技術コンサルタントの資格になるのですが、コンサルタントととして技術士事務所を開業することは比較的容易です。

 

開業予定の「土屋農業技術士事務所」のCI:corporate identity
農業技術士という語句は本来はありませんが、オンリーワンを目指し強調してみました
丸い形は、農業の基盤である自然の営みと循環を表すとともに、四季の移り変わりも表しています
濃い青は空、緑は大地に育つ植物を表します

 

 

 

 

なぜなら、技術士には医師や弁護士などと異なり、独占業務がなく、本人の自由で業務内容を決めることができるためです。つまり、自分の好きなように業務内容や専門分野を設定し、屋号も自由に決め看板を掲げることが可能です。これは他の個人事業でも同じことですが、こと「士業」の世界では業務分野が法律で規定されていることで様々な制約が出て来ます。そのため、一定の競争条件での開業になるわけですが、技術士事務所の場合は自分の得意分野、専門分野での開業が容易なため、ブルーオーシャンの世界が待っている、とも言えます。

 

○技術士事務所の難しさと面白さ

 

もちろん、開業は自由なのですが、業務分野の設定が良くないと需要もないことになります。回りで開業している先輩技術士の方々を見ますと、先日に「九十歳 野菜技術士の軌跡と残照」を出版された板木利隆先生のように、施設園芸+家庭園芸というユニークな業務分野をお持ちで、他に類を見ないため仕事の依頼がひっきりなしの方もいらっしゃいます。板木先生の場合は、湘南レッドという赤系の生食用のタマネギの育成者ということで、もともと広い業務分野、専門分野をお持ちで、しかも農学博士でもあられ、技術士事務所の開業はたやすいものだったのではと想像いたします。

 

私の場合は、板木先生には遠くおよびませんが、農業+施設園芸+植物工場といった同じ業種のなかでの今までの経験を生かした業務ができないかと模索中です。ただしこれでは絞り込みにならないため、「農業分野の専門知識」×「研究開発でのプロジェクトマネジメントやコーディネートの経験」×「 雑誌編集での情報収集や企画の経験」のような独自性が無いものかと考え中です。これが面白いかどうかは需要次第になりますが、あまり狭くなると誰にも相手にされないのが難しさでもあります。

 

○人生百年時代と技術士事務所

 

大げさかもしれませんが、人生百年時代には技術士事務所の仕事はうまく行けばぴったりのように思います。看板だけで開業ができること、インターネットの時代でホームページやブログ、メルマガなど使って情報発信すれば、物理的な事務所も不要なこと、健康で頭が働く限り、インプットを怠らず需要のある業務を開拓しつづければ、年齢に関係なく働けることがあると思います。

 

この「需要のある業務の開拓」がポイントと思いますが、実は技術士は難関と言われる技術士試験で「課題解決能力」をチェックされています。この能力は、課題を見つけ整理し適切な技術的解決法を提案する能力といえ、別な見方をすれば、業務開拓能力とも言えると思います。せっかく難関の試験に受かっただけではもったいない訳で、資格を有効活用して、この先のたぶん長いであろう人生を楽しく生きて行きたいと思う次第です❗

 

ホームページ「農業・施設園芸・植物工場の未来」もご覧ください

 

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