AIの正しい使い方とは?「人工知能未来農業創造プロジェクト公開シンポジウム」に参加して

先日、農研機構野菜花き研究部門主催のシンポジウム「人工知能未来農業創造プロジェクト公開シンポジウム ― AIを利用した施設園芸・植物工場の未来へ向けて―」に参加しました。



すでにAIと施設園芸・植物工場に関するプロジェクトが多く走っており、あいさつに立たれた農研機構の研究担当理事(大谷さん)は、研究が終了してからではなく研究の途中にどんどん情報発信をしていく、と宣言をされていました。これは注目をあびているプロジェクトでは非常に大切なことと思いました。業界紙各社の記者の方も多く参加されていたので、シンポジウムの内容はすぐに記事化されると思います。

 

〇AIの使い方と人間

 

AIがテーマのシンポジウムで、施設園芸の栽培技術や労務管理などについての報告があり、水田や畑作のロボット中心の世界とは明らかに内容が異なっていました。特にスマート農業の進展で得られるビッグデータの活用について、どこまでAIを使っていくのか?という話題提供があって興味を引きました。

 

AIに環境制御での設定など、すべて判断させて自動化するというレベルが想定されるが、そこまではまだまだ到達しないということ、その下にもいくつかのレベルがあるが、AIにアシストしてもらい判断の参考にする使い方が現実的であろう、というお話でした。つまり、あくまでも主役は人間であって、参考となりそうな情報をAIが過去のデータや事例などから推測して提供する、という仕組みになろうかと思います。

 

これは、医療の世界では、診断の支援システムなどとして実用化されている世界のようで、施設園芸や植物工場の世界でもデータを効率的に集め、機械学習を進化させていけば、不可能なことではないかもしれません。またそこでは、主役はあくまでも人間であって、AIはアシスト役ということです。

 

〇AIに与えるデータに必要なもの

 

これからは環境データや植物体のデータについては、収集や分析のスケール、スピードは加速化していくと思います。一方で、環境制御や栽培管理の結果として、収量や品質がこうなった、結果的に収益が増えた、などというアウトプットの部分についても、徐々に取りこまれていくように思います。一方、何がよかったか悪かったかをAIに教え込む際に、アウトプットの評価が必要になるでしょう。またインプットに当たる環境データや植物体のデータが発生してから、アウトプットが出てくるまでにタイムラグがあるので、そのタイムラグをどのようにとるかも重要とやるかもしれません。しかし、それはAIが見つけてくれるようになると思います。

 

農業のアウトプットは、出荷であり売上であり収益なのですが、売上を最大化するAI、収益を最大化するAIがあっても良いかもしれません。しかし選択肢は1つではないはずで、判断は人間が行うという前提でAIがいくつかの提案をしてくれれば、人間がそれにもとづきトライ&エラーを繰り返してスキルアップすることも可能のような気がします。すべてを機械に頼らず、人間が中心のAIというのが施設園芸、特に環境制御や栽培管理での正しい使い方のように、シンポジウムに参加して思ったところです。

 

ホームページ「農業・施設園芸・植物工場の未来」もご覧ください

 

 

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