テレワークと農業の未来

サテライトオフィスの地域での整備と、働く人の動き

 

最近、北海道などでサテライトオフィスを整備する動きが活発にみられます。

 

2020年5月20日付け日本農業新聞の総合・社会面には、「進むテレワーク導入 地方拠点で都市圏の仕事」として、「北海道では、企業のサテライトオフィスを誘致できる拠点を整えて、地域に人を呼び込む動きが以前から活発」、「先進地域の北見市では東京のIT企業が拠点を構え、学生にテレワークの体験の場を提供」とあります。

また「学生にはテレワークで3日間の体験をしてもらう。3年間で25人の学生が参加」とあり、都会からの企業誘致と地元の若者への職場の提供の双方の効果を狙っているものと考えられます。

 

ニセコ町の旧でんぷん工場を改装したサテライトオフィスも紹介され、スキーなどで集まる観光客も対象に仕事も地元でしてもらう環境作りを進めているようです。「賃貸で事務所を借りるよりも柔軟に動ける」という利用者の声が紹介されています。

 

 

 

 

 

こうした地方でのサテライトオフィスの設置によって、またテレワークの推進と相まって、どこででも働ける環境が整備されつつある、そうした流れを捉えるべきでしょう。

 

またテレワークを行うことによって、職場に近いところに住居を持つ必要は少なくなっていくと思います。

むしろより良い環境、より自然に近い環境、あるいは人口密度が低くて感染症などのリスクが低い環境、そうしたところに住まいを移し在宅勤務をすること、あるいはサテライトオフィスで働いてみることが増えていくようにも思います。

 

どうしても用事があって都会に行かなければならない時だけ、新幹線や飛行機その他の交通手段を使って移動をする、そんなライフスタイルがこれから発展するのではないかと思います。

 

この流れは、感染が広がった新型コロナウイルス、これがおさまった後でも、おそらくテレワークを真剣に考えて導入している企業やビジネスマンの一部には、浸透していくのではないかと考えられます。

それは都会に住み、都会で働くことのリスクを、都会の住人自身が身をもって体験したからです。

 

 

一極集中の解消と農業での流通の変化

 

これからは、おそらく都会と地域での居住地や働く場所、そして働く人たちとその家族、それらの移転、移動が、働き方の変化にあわせて徐々に進んでくるんではないかと思います。

そのことで東京一極集中、首都圏集中と言ったことが少しずつでも解消され、いよいよ地域の魅力や地域の優位性、それらが発揮されていくのではないかと思います。

 

これはサテライトオフィスなどで働く人たちだけの問題ではありません。

地域が外部からの人達で活性化され、また定住人口や関係人口が増えてくる、そのことで地域の農業に対して良い影響も出てくるのではないかと思います。

 

地産地消がより活発に行われて、その地域の農産物を使った調理、料理、加工品、6次産品なども外部からの様々な情報や刺激によって、地域内でも生産や流通が一層されていくかもしれません。

これは従来からある遠隔地での大量生産出荷の農業の仕組みとはだいぶ異なるものです。

 

 

令和時代の地域と農業のあり方

 

以上のように、今後のテレワークの推進や拡大により人の流れに変化が生じ、魅力的な地域への人口の移動と、そこで必要とされる農産物や加工品の域内流通が発達する可能性もいろいろと考えられるでしょう。

 

令和が始まって2年目になりましたが、コロナウイルスとともに生きなければならない時代となり、生きるために必要な農業がより重要視される時代になって来たと思います。

またテレワーク拡大との相乗効果で、地域の農業のあり方も徐々に変わってくることが考えられます。

 

農業者自身もテレワークを積極的に活用して、都会や他の地域の人たちとの交流を深めることが求められるのではないかと思われます。

それらが令和時代の農業のあり方を変える原動力のひとつになるのかもしれません。

 

 

ホームページ「農業・施設園芸・植物工場の未来」もご覧ください

 

by 土屋農業技術士事務所 所長 土屋 和

 

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