施設園芸総合セミナーでの果菜類の品目展開

昨日、本日と東京都内で「第41回施設園芸総合セミナー・機器資材展」が開催されました。環境制御技術やスマート農業に関係する講演が中心で、多くの方が参加され盛況でした。

 

 

内容も果菜類の生産に関するものが多かったのですが、従来のセミナーのようにトマトやイチゴが中心ではなく、様々な品目への展開があったのが特徴と感じられました。演題を列記してみます。【 】内は対象とされた品目名です。

 

様々な品目を対象とした講演の演題

 

〇農林水産省の施設園芸関係の施策および、自然災害への対応
農林水産省生産局園芸作物課 花き産業・施設園芸振興室 課長補佐 角張徹氏

 

〇スマート農業プロジェクトの施設園芸分野の取り組み
農研機構野菜花き研究部門長 坂田好輝氏

 

〇大規模施設園芸におけるJCT化とその波及効果 【パプリカ】
大阪府立大学研究推進機構植物工場研究センター 特認准教授 大山克己氏

〇トマトの収穫ロボット等の省力化システム 【トマト】
パナソニック(株)ロボティクス推進室 開発1課長 戸島亮氏

 

〇大規模施設導入における生産の早期安定化のポイント
農研機繕野菜花き研究部門 施設生産ユニット長 東出忠桐氏

 

〇わが国のピーマン・トウガラシ類の品種・生産技術の動向 【ピーマン・トウガラシ】
農研機構野菜花き研究部門 ナス科ユニット長 松永啓氏

 

〇パプリカ大規模生産の国産ネットワーク NaPAの取り組み 【パプリカ】
(株)Tedy代表取締役、NaPA会長 林俊秀氏


〇ピーマン生産の環境制御による多収化とICT利用の実証 【ピーマン】
鹿児島大学農学部環境情報システム学研究室 准教授 神田英司氏

 

〇ナス・スイカ大規模産地のICT・AI利用による収益性の向上 【ナス・スイカ】
熊本市農水局長 西嶋英樹氏

 

〇先進的大型施設でナスの30t/10a採りをめざす多収生産の実際 【ナス】
JA全農耕種総合対策部 高度施設園芸推進室長 吉田征司氏

 

〇キュウリで50t/10a採りをめざす多収生産のための環境制御と栽培管理 【キュウリ】

(株)誠和。研究開発部研究課 須藤裕子氏

 

以上となりますが、トマトでは収穫ロボット等に関する演題が1題のみで、イチゴはありませんでした。またキュウリ、ナス、ピーマン、パプリカが2題ずつあって、この分野の品目展開が進んでいることが感じられます。長らくトマトを中心に施設園芸での環境制御技術が進んで来たと思いますが、ここに来て多くのチャレンジと実績が出てきたことは、注目すべきでしょう。

 

高軒高ハウスと中・低軒高ハウスでの栽培実証

 

もうひとつ、分類をしてみます。実際の栽培や実証試験などで、対象としたハウスがフェンローハウスなどの高軒高によるものか、一般的な中・低軒高によるものか、該当するものを【 】内に記します。

 

〇農林水産省の施設園芸関係の施策および、自然災害への対応
農林水産省生産局園芸作物課 花き産業・施設園芸振興室 課長補佐 角張徹氏

 

〇スマート農業プロジェクトの施設園芸分野の取り組み
農研機構野菜花き研究部門長 坂田好輝氏

 

〇大規模施設園芸におけるJCT化とその波及効果 【高軒高】
大阪府立大学研究推進機構植物工場研究センター 特認准教授 大山克己氏

〇トマトの収穫ロボット等の省力化システム
パナソニック(株)ロボティクス推進室 開発1課長 戸島亮氏

 

〇大規模施設導入における生産の早期安定化のポイント
農研機繕野菜花き研究部門 施設生産ユニット長 東出忠桐氏

 

〇わが国のピーマン・トウガラシ類の品種・生産技術の動向
農研機構野菜花き研究部門 ナス科ユニット長 松永啓氏

 

〇パプリカ大規模生産の国産ネットワーク NaPAの取り組み 【高軒高】
(株)Tedy代表取締役、NaPA会長 林俊秀氏


〇ピーマン生産の環境制御による多収化とICT利用の実証 【中・低軒高】
鹿児島大学農学部環境情報システム学研究室 准教授 神田英司氏

 

〇ナス・スイカ大規模産地のICT・AI利用による収益性の向上 【中・低軒高】
熊本市農水局長 西嶋英樹氏

 

〇先進的大型施設でナスの30t/10a採りをめざす多収生産の実際 【高軒高】
JA全農耕種総合対策部 高度施設園芸推進室長 吉田征司氏

 

〇キュウリで50t/10a採りをめざす多収生産のための環境制御と栽培管理 【高軒高】

(株)誠和。研究開発部研究課 須藤裕子氏

 

以上のように、高軒高が4題、中・低軒高が2題であり、高軒高が優勢となっています。これは高軒高ハウスでのハイワイヤー栽培によるパプリカ、ナス、キュウリの演題と、熊本や鹿児島における中・低軒高ハウスでのピーマン、ナス、スイカの演題となります。前者はパプリカではすでに一般的であり、ナスとキュウリではチャレンジな内容です。後者は一般的な栽培に対するものです。

 

施設園芸における今後の技術開発動向

 

たった二日間のセミナーの演題で、今後の技術開発動向を占うことは難しいと思いますが、演題だけ見ても様々なヒントが感じられます。その他に、養液栽培と土耕栽培という分類も可能ですが、すべてが養液栽培を指向しているわけではありませんでした。オランダや韓国の施設園芸は品目を絞り発展した経緯がありますが、日本の施設園芸では多様性や地域性が根幹にあって、そのような方向性とは異なるものがあると思います。

 

こうした多様性に対応する技術開発に必要とされるのは、ひとつひとつに対応する技術よりもおそらく汎用的な技術であり、品目展開や地域展開を前提としたものであるはずです。そうした視点を施設園芸に係わるエンジニアは大切にすべきと、セミナーに参加して感じた次第です。

 

 

ホームページ「農業・施設園芸・植物工場の未来」もご覧ください

 

by 土屋農業技術士事務所 所長 土屋 和

 

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