韓国の国立施設園芸研究所とハウス耐久性試験施設

韓国の施設園芸の視察を毎年しています。今年は千葉大学蔬菜園芸学研究室の土葉会という勉強会で企画したツアーへの参加でした。韓国の農村振興庁(Rural Development Administration)に研究機関(National Institute of Horticultural and Herbal Science)があり、そのうちの施設園芸研究所(Protected Horticulture Research Institute)に伺いました。

 

韓国農村振興庁 施設園芸研究所

 

案内をいただいた所長のDr.Leeは、京都大学で農業機械を学ばれ、最近は日本の農研機構にも1年間滞在された方で、日本の施設園芸施策や研究についても精通されていました。所長の説明では、研究所にはハウス、エネルギー、スマート農業(ICT、環境制御)、養液栽培の4分野の研究室があり、各研究施設を見せていただきました。

 

施設園芸研究所の栽培試験施設

 

韓国のハウスのタイプ

 

韓国の施設園芸面積は雨よけハウスも含めて約52,000haあり、日本の面積よりも9,000ha程度上回っています。うち、連棟ハウスが1割程度、残りの多くは一般的な単棟パイプハウスが多いとのことです。養液栽培面積は3,000ha程度(日本は2,000ha程度)あり、装備化が進んでいることも伺えます。

 

 

 

ハウス耐久性の大型試験施設

 

施設園芸研究所のハウス関係の試験施設を見せていただだきましたが、建物の中に実物大の高軒高パイプハウス(軒高5.9m、間口8m程度、骨材のみ)が設置されており、耐久性の試験が行われていました。建物の床面にハウス骨材ががっちり固定されており、側面から油圧シリンダを通じて圧をかける装置が設置され、骨材の歪みなどを実際に調べることが出来るようでした。またハウスのトラスなどに水タンクによる荷重を掛け、同様な調査を行う仕組みとなっているようでした。

 

韓国型高軒高ハウスの耐久試験施設(右側に側圧を加えるアーム群が見える)

 

韓国での大型アーチパイプの高軒高ハウスの普及

 

こうした実物大のモデル試験の他に、シミュレーションソフトの利用もされており、両面からの検討がされていました。韓国では日本ほどでは無いにしても台風や強風のハウス被害、また積雪による被害もあり、強度試験を実物で行うことで、より確度を高めた対策も可能と感じられました。

 

 

 

国立の研究機関にこのような大型試験施設が建設され、担当の研究者も配置されているのは韓国ならではのことです。韓国では大口径のパイプアーチとトラス構造を組み合わせた高軒高ハウスが各地で建設されていますが、こうした普及にも一定の役割が果たされていたものと感じた次第です。

 

施設園芸研究所内の韓国型高軒高ハウス

 

 

ホームページ「農業・施設園芸・植物工場の未来」もご覧ください

 

by 土屋農業技術士事務所 所長 土屋 和

 

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