ハウスの強風対策に必要なこと

強風対策とハウス補強の研修
 

 

強風で倒壊した鉄骨ハウス(画像提供:防災科学技術研究所 横山仁氏)

 

 

 

先日、西日本のある県でパイプハウスの強風対策について、研修講師をいたしました。農林水産省の補助事業の一環として、自然災害に対する園芸施設の強靱化等の対策のため、生産者や関係機関向けに研修が各都道府県で行なわれています。こちらでも計4回、県内各地で研修がされています。施設そのものへの補助ではなく、研修を行って啓蒙する点で従来と異なる趣旨の事業と言えるでしょう。

強風被害の発生要因と対策

パイプハウスや鉄骨ハウスでの気象災害の対策は古くからあって、その基本は変わらないものです。園芸施設の構造設計分野の草分けである千葉工業大学の羽倉先生が書かれた、強風に対しての施設の変形状況や補強材の組み方に関する図は、今でも施設園芸関係のハンドブックに掲載されています。

最近では、農研機構で同分野の研究や調査を精力的にされている森山英樹さんが、昨今の被害状況についてまとめられた報告や論文を多数されています。施設の形状や立地条件の多様化により、被害状況にも様々なバリエーションがありますが、強風による正圧と負圧、そして隙間からの風の侵入による施設内部からの圧、この3つが強風による被害要因として大きくは分類がされています。

その他、雨水浸透などによる地盤の緩み、構造材の腐植や劣化なども加わり、複合的な要因も発生しますが、強風という気象現象とハウス構造物への物理的被害には決まったパターンがあり、おのおのに補強などによる対策も示されてきています。

静岡県の公表資料

平成24年に公表された静岡県の強風対策に関する資料(施設園芸における 台風・強風対策マニュアル)は大変良く整理されたもので現時点でも十分に参考になるものです。この資料の検討にあたっては前述の森山さんも加わっており、またオブザーバーにハウスメーカーの方も加わって実際の補強資材による対策も示されています。静岡県は7年前のものにもかかわらず、現在も公開を続けられており、おそらく全国的にも参照されているものと思います。

知識と情報の重要性

そうした資料には具体的な補強対策や強風時、強風前の注意点、チェックリストなどが掲載されています。経費や手間は発生しますが、いずれも事前に対応可能なものでしょう。また強風や台風の発生や強度についても、事前の予報や警報が利用でき、ある程度の時間的猶予の中での対処も可能な時代となっています。自然災害多発の時代と言われる中、知識と情報が災害対策の基本のひとつと言えるでしょう。

 

 

 

 

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by 土屋農業技術士事務所 所長 土屋 和

 

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