施設園芸 植物工場展 2018 GPECの見方

「施設園芸 植物工場展 2018 GPEC」が今週、東京ビッグサイトで開催されました。2年に一度のイベントであり、2日間で4万人以上の来場がありました。各社の出展ブースでは、商品展示というよりも、ひとつのパッケージとして商品の利用場面やICT サービスまで広範な提案を行うものが多く見られました。

 

施設園芸・工場展 GPEC(クリックして拡大)

 

1.商品やサービスのパッケージ化とサプライチェーン

 

商品やサービスをパッケージ化するためには何らかの軸が必要になります。例えばトマトを栽培し販売するという軸で考える場合には、播種育苗から収穫、選果出荷までの一連の流れがあります。製造業の世界ではサプライチェーンマネジメントという観点で、物の流れや情報の流れを全体的に整理し最適化する考えが主流です。農業や施設園芸でのサプライチェーンマネジメントを一貫してできる事業者はそう多くはないと思われます。また今回の展示会では、パッケージ化といっても生産段階を対象としたものがほとんどで、出口を見据えた提案は生産販売や加工流通にかかわっている一部の展示ブースであっただけでした。 この点では、まだまだ発展や改良の余地はあると思われます。

 

2.積み上げ型経営からのサプライチェーンマネジメントへの転換

 

今までの農業経営や施設園芸経営では積み上げ型のものが主流でした。これは規模が小さいため、ひたすら作り、その分の出荷をすれば経営として成り立っていたためだと思われます。

しかし経営規模が大きくなると、作ったものをどのように販売するか、余さず売り切るか、またそこから利益を確保して次の投資に生かすことまでも考える必要がでてきます。

従来の農業経営者の他、農業資材の提供者、技術情報の提供や指導を行う公的機関や研究機関なども、同様に積み上げ型の思考であったことが考えられます。

今後は、規模拡大の流れから、そうした思考が通用しなくなることは明らかです。販売の出口から逆算して物事を組み立て、考える必要が出てきます。そして利益重視型の経営、また利益を確保するための生産の仕組みと施設の設計、こうした考え方がどうしても必要になってくると思います。そしてそれらをまとめあげるのが、サプライチェーンマネジメントの考えになるでしょう。

 

3.展示会のあり方と今後の課題

 

今回の展示会では 、様々な新商品や新しいサービスの紹介がありました。また開発途上であってもユーザー側の反応を確かめるような展示も多くみられました。GPECのような大規模な展示会にはメーカーやディーラー、農業関係機関などの業界関係者の方々も多数参加をされます。こうした方にとっては情報収集や取引の絶好の機会であり、展示会の意義も大きいものがあると思います。

しかし生産する側にとって新しいものがすべてではありません。出展ブースには数は少ないので すが農産物を生産販売するユーザー側の方々もおられ、立ち会った限りでも出展者との交流(売り込み)も多くみられました特にパッケージとしての提案は、そこそこの導入費用がかかるため、費用対効果や投資回収についてユーザー側は値踏みをしています。ユーザー側はなるべく簡素化し導入費用を抑えようとしますし、出展者は付加価値を乗せ販売をしようとしますが、最終的な導入の判断はユーザー側が利益を確保できるかどうかになるはずです。ここでもサプライチェーンマネジメントの観点で見る必要があるでしょう。

こうした直接のやりとりが見られるのことも、大規模な展示会の存在意義のひとつではないかと思います。2年に1度の展示会であり、ユーザーと出展者が良い意味での探り合いを深め、業界の発展に結びつけることが重要ではないかと考えます。

 

ホームページ「農業・施設園芸・植物工場の未来」もご覧ください。

 

 

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